【業務概要】
本業務は、可燃ごみを焼却処理するあぶくまクリーンセンターを更新するにあたって、施設の整備と運営をDBO方式で発注する際に必要な一連の事務手続きを支援した発注支援業務である。
計画対象の清掃工場は、処理能力60t/24h×2炉のストーカ式焼却施設で、余熱利用やごみ発電の効率化、先進技術の導入に積極的に取り組む他、大規模災害など近年の課題に対応可能な施設づくりを目指したものである。
主な支援内容は、プロポーザル公告、要求水準書、優先交渉権者決定基準書、契約書(案)等各種必要書類の作成支援、入札参加者からの質疑応答支援、入札参加者の提案を審査する委員会の運営支援等である。

【技術的特徴】
1.建設工事中の施設稼働
福島市は、現在、あぶくまクリーンセンターとあらかわクリーンセンターの2施設体制で可燃ごみの処理を行っているが、将来的にもこの体制を維持する計画である。
計画施設は、現在のあぶくまクリーンセンターに近接して建設するものであるが、敷地全体が南北に細長い形状で、現施設と当該施設の余熱利用設備である「ヘルシーランド福島」に挟まれた敷地である。

計画施設建設予定地の状況

 このような状況で、現工場は新工場建設工事中も稼働を続ける必要があり、現工場の操業動線と工事車両動線が錯綜しない工事計画が必要である。加えて、ヘルシーランド福島も工事期間中営業を継続する予定であり、余熱利用のための蒸気供給配管は、新工場の試運転開始まではその保全が必要であった。

2.土壌汚染対策
新工場の建設予定地は、事前の土壌汚染調査において、汚染土壌及び埋設廃棄物が確認されていた。またこれに加えて、現工場の先代施設である「旧岡山焼却場」や「旧管理棟」等が立地していた場所であり、ごみピットや杭、土留擁壁、排水管等が残置されている。

このような状況のもと、工事の実施にあたっては、土壌汚染対策法第14条に基づく自主申請により、建設予定地全域を形質変更時要届出区域として指定を受け、この届出により施設建設のための掘削や、汚染土壌の場外搬出または保管が可能になる。また、この際に発生する埋設廃棄物及び廃棄物混じり土由来の廃棄物は一般廃棄物として市の処理施設で処理・処分し、構造物由来の廃棄物は産業廃物として施設建設工事の範疇で処理処分する計画である。

3.二期工事
本事業での設計・建設業務の範囲は、新工場の建設までであるが、その後には、二期工事として現工場の解体撤去と当該跡地の整備工事が予定されている。
これらの工事は、新工場設計・建設業務受注者の責任範囲ではないが、最終的な敷地全体の合理的活用を考えるにあたって、設計段階から考慮すべき事項である。
例えば、敷地の南端に存在する資源化工場は、新工場竣工後も現在の施設が稼働を継続する予定であり、資源化工場への給電やその他ユーティリティーの供給、可燃残渣受入れのための車両の往来、敷地出入口の共用など双方での連携を考慮する必要がある。
また、敷地北端の余熱利用設備であるヘルシーランド福島は、新工場から新たなエネルギー供給を受け、さらに営業を継続する予定である。
その他、敷地出入口の変更に伴うより円滑な車両動線の確保とともに、これに伴って計量棟の再整備も行う予定であり、本事業で暫定的に整備する仮設ストックヤードの本設、駐車場の再整備、緑地の拡充など、全体の完成像を見据えた設計が求められている。

新工場竣工後の二期工事範囲

【業務概要】
本業務は棄物処理施設のうち、5か所の焼却施設と2か所の粗大ごみ処理施設について、「環境省インフラ長寿命化計画(行動計画)」(平成28年3月)に基づき、ストックマネジメントの考え方を導入し、「一般廃棄物処理施設保全計画」を策定したものである。
5か所の焼却施設のうち3施設はストーカ式焼却施設で、残る2施設はシャフト式のガス化溶融方式を採用していた。このガス化溶融方式はPFI方式での管理運営がなされていたため、健全度の評価や劣化の予測は主に運営事業者であるSPCへのヒアリングを主として計画策定を行ったが、ストーカ式の3施設については、工場担当者へのヒアリングとともに現地調査による補足確認を加えて、健全度の評価や劣化の予測を行っている。

【対象施設】

施設 名称 処理方式 施設規模 竣工年月 事業方式
焼却工場 猪子石工場 ストーカ 300t/日×2炉 H14.3 公設公営
五条川工場 ストーカ 280t/日×2炉 H16.7 公設公営
富田工場 ストーカ 150t/日×3炉 R2.6 公設公営
鳴海工場 シャフト式ガス化 265t/日×2炉 H21.6 BTO
北名古屋工場 シャフト式ガス化 330t/日×2炉 R2.6 BTO
破砕工場 大江破砕工場 横型回転式 200t/5h×2系 H9.3 公設公営
北名古屋工場 二軸低速 200t/5h×2系 R2.6 公設公営

【基幹的設備改良事業の実施】
業務において策定した各工場の保全計画は、今後「延命化計画」を付加することで「長寿命化総合計画」として活用され、その結果に即して「基幹的設備改良事業」が実施される予定である。

【業務概要】
本業務は、新焼却施設建設工事及び付帯工事を総合評価型一般競争入札により発注するにあたり、工事実施に係る入札説明書や発注仕様書、落札者決定基準書等の入札関係資料の作成を行い、事業者の選定に係る選定委員会の運営支援を行ったものである。
新焼却施設は施設規模238t/日(119t/日×2炉)のストーカ式の焼却施設で、エネルギー回収率19%以上のごみ発電を行う計画である。選定委員会の運営支援については、資料作成や委員会出席に加え、委員への事前レクチャーを行い、円滑な委員会運営に努めた。

【技術的特徴】
建設場所は、既に稼働を停止した旧焼却施設が現存しているため、当該事業では初めにこれを解体撤去するとともに、土壌汚染対策工事を実施する。そのうえで、当該跡地に新たな焼却施設を建設する計画である。
また敷地内には稼働中の既存焼却施設が2施設あり、これらの稼働を継続しながら新焼却施設を建設することから、工事期間中における既存焼却施設の動線確保や安全対策はもとより、既存焼却施設と新焼却施設の電気的・システム的な連携や見学内容の役割分担と拡充を図るものとしている。

【業務概要】
本業務は、西部工場の建替え計画に関して、計画の前提条件を整理したうえで、新工場の建設・配置計画、プラント設備計画、余熱利用計画、建築・景観計画、防災計画、工事計画等基本的事項について比較検討し、基本計画策定にあたっての各種検討の支援を行ったものである。当該施設は現状において施設規模750t/日の清掃工場で、同一敷地には西部資源化センターが併設されている。
新工場は、施設規模690t/日の施設に建替える計画で、環境保全対策に万全を期するのはもとより、工場への省エネルギー化技術の導入も積極的に取り入れる計画である。また、より積極的な熱回収によるごみ発電や余熱利用も推進するとともに、施設の強靭化による付加価値の向上も同時に図っている。

【技術的特徴】
新工場は、資源化センターを解体撤去した跡地に建設する計画であるが、解体撤去工事着工から新施設建設工事竣工に至るまでの間も現西部工場は操業を継続する必要があり、狭隘な敷地において工事車両の動線と既設工場の操業動線を確保する必要がある。

このため工事工程の進捗を加味した段階的工事計画について検討し、工事用道路や仮設計量棟の設置についても考慮している。

新工場の配置イメージ

【業務概要】
本業務は、新館清掃施設の整備・運営事業をDBO方式で実施するにあたって必要な一連の事務手続きを支援した発注支援業務である。
計画対象の施設は、処理能力力80t/24h×2炉の焼却施設で、余熱利用やごみ発電の効率化、先進技術の導入に積極的に取り組む他、災害時において頼れる施設を目指したものである。
主な支援内容は、要求水準書、入札説明書、落札者決定基準書、契約書(案)等各種必要書類の作成支援、入札参加者からの質疑応答支援、入札参加者の提案を審査する委員会の運営支援等である。

【技術的特徴】
1.燃焼設備方式
本事業では、燃焼設備の方式をストーカまたは流動床と要求しており、いずれの方式での提案も許容するものであった。このため、非価格要素審査における審査項目の設定では、いずれかの方式に優位性が生じないよう配慮している。
2.工事中残存施設
工事予定地では、既存の施設は既に解体されていたものの、収集事業所や紙資源ストックヤードが残存しており、これらを運用しながらの施設建設が求められていた。

【業務概要】
本業務は、横浜市が計画する保土ケ谷工場の建替えによる再整備及び運営事業について、民間の資金やノウハウを活用するとともにリスクの民間への移転等により、公共資金の最も効果的な運用を達成しつつ、より質の高い公共サービスを提供するPFI等の事業方式導入の可能性を調査・検討したものであり、民間事業者を対象にアンケート調査を実施し、事業への参入の意向調査及び事業費の把握を行った。

【検討結果】
検討においては公設公営方式を基準にDBO(公設民営)方式及びBTO(民設民営)方式について、運営期間を20年間とした場合と25年間とした場合でそれぞれVFM(バリュー・フォー・マネ)の算定を行った。その結果、いずれの場合においても優位な結果が得られず、公設公営方式が最も経済的な事業方式であると試算された。また、定性的評価においても公設公営方式が最も優位性が高い結果となった。

【本業務の特徴】
再整備する保土ケ谷工場は施設規模1200t/日にも及ぶ巨大な清掃工場で、処理方式を焼却施設または溶融施設としており、回収した熱によりごみ発電と外部への熱供給を行い、余剰電力は売却することとしていた。
一般的に我が国においては、DBO方式の採用事例が多く、その理由にはVFMの算定において優位性が確認できたとされる例が多い。
しかしながら、今回の検討では、施設の点検補修費や用役費において民間事業者のノウハウによるコスト縮減効果が発揮されず、SPCの設立費や借入金金利を相殺できない結果となった。これは、横浜市において、従来から複数の巨大工場での運営ノウハウが蓄積されており、既にその効果が高い次元で発揮されているためと考えられた。

【業務概要】
本業務は、北九州市一般廃棄物の可燃ごみを焼却処理する日明工場を更新するにあたって、施設の整備と運営をPFI方式(BTO)で発注する際に必要な一連の事務手続きを支援した発注支援業務である。
計画対象の清掃工場は、処理能力254t/24h×2炉のストーカ式焼却施設で、余熱利用やごみ発電の効率化、先進技術の導入に積極的に取り組む他、大規模災害など近年の課題に対応可能な施設づくりを目指したものである。
主な支援内容は、要求水準書、入札説明書、落札者決定基準書、契約書(案)等各種必要書類の作成支援、入札参加者からの質疑応答支援、入札参加者の提案を審査する委員会の運営支援等である。

【技術的特徴】
本事業は、我が国のごみ処理施設でPPP手法を用いる場合に多くで採用される公設民営のDBO方式ではなく、民設民営のBTO方式で発注された事業であり、比較的前例の少ない発注支援業務である。
落札者となった企業グループは、本事業を実施する特別目的会社(SPC)を設立し、この会社がPFI事業者となって設計・建設から運営維持管理に至るまでの事業全体を一括で実施する。その際PFI事業者は、事業実施に係る資金を自ら調達して事業に着手し、施設建設工事竣工後にその所有権を市に引き渡すこととなる。
本事業の契約は、市がPFI事業者と一括して行うため、DBOで一般的な設計・建設業務請負契約と運営・維持管理業務委託契約が個別に存在しておらず、これらを一つの事業として位置付ける基本契約書も存在しない。一方で、運営事業者に融資を行う金融機関は、当該融資を行うにあたって発注者である市と直接協定を締結している。

【業務概要】
本業務は、舞鶴市の一般廃棄物を埋立処分するための最終処分場整備の実施設計業務で、第一期の埋立区画にキャッピングを施し、浸出水の発生量を抑制したうえで、埋立地の上流側に第二期の埋立地を設置したものである。埋立容量としては約123千㎥を確保し、15年分の埋立処分に対応している。
埋立地内の遮水システムには遮水シートによるダブルライナー方式を採用し、上層シートの破損をモニタリングするための電気式漏水検知システムを備えている。また浸出水処理施設は、接触曝気による生物処理に凝集沈殿、砂ろ過、活性炭吸着を付加したシステムで、既存の80㎥/日の処理能力を100㎥/日に増強している。

【技術的特徴】
埋立済み区画のキャッピングは、浸出水量の抑制を図りつつも、埋立てた廃棄物の安定化促進を図るため、最低限の雨水浸透を確保する設計としている。具体的には、遮水シートを用いたキャッピングに意図的な非被覆部を設け、部分的に雨水の浸透を許容する構造である。これに併せてガス抜き管と通気層を配し、積極的な埋立槽内への自然通気を促すことで準好気状態を維持するよう配慮している。

【業務概要】
本業務は、淡路広域行政事務組合が計画する広域ごみ処理施設の施設整備基本計画を策定するとともに、これにより確定した新ごみ処理施設の計画諸元を用い、生活環境影響調査の手続きを経て施設整備事業の円滑な推進を図ったものである。
施設整備基本計画では、計画施設の規模、処理方式、公害防止基準等基本性能、事業方式、概算事業費、事業スケジュール、要求水準の原案等を明らかにするとともに、生活環境影響調査の予測・評価に必要な基本条件を整理している。
生活環境影響調査では、大気質、騒音、振動、悪臭の4環境要素を選定し、現況調査として計画施設の稼働が周辺環境に影響を及ぼす内容、程度、範囲等に応じ、既存資料調査及び現地調査を行い、予測にあたっての基礎資料を把握した。そのうえで、予測の結果、施設稼働による影響は、いずれの項目についても現況の生活環境を著しく悪化させるものではなく、環境保全目標は達成されると評価している。

【技術的特徴】
施設の建設予定地は、東西方向に細長い敷地形状で、建物の配置や各階機器配置を考えるうえで短辺側寸法の設定に配慮を要した。
このため、当該寸法の決定因子となるごみ投入扉やダンピングボックスの必要基数、計画規模に見合う炉芯間距離、蒸気復水器や灰出し設備の位置、場内車両動線に留意し、施設配置が確実に可能であることを慎重に確認した。加えて、施工性の問題についても本検討の成果で実現可能であることを確認している。

【業務概要】
本業務は、奈良県大淀町西増地内において、近隣町村で構成されたさくら広域環境衛生組合が計画する新ごみ処理施設建設のための敷地造成と進入道路の実施設計を行ったものである。
敷地造成設計は新ごみ処理施設用地と地域振興施設用地が確保できる一枚盤の敷地としており、2か所の調整池設置計画を1か所に集約する変更を行った。
進入道路設計は、町道東部41号線から敷地にアクセスする幅員7.0m延長約470mの設計と取付部の交差点設計を行った。また、進入路建設に伴い分断される農地が一部あることから、農地造成の設計も行い、敷地造成に関連する各種申請図書の作成や路線測量も行った。

【設計時に配慮した事項】
1.ごみ処理施設配置計画との整合
既往計画により想定された施設配置に整合する造成形状を確保する。
2.造成盤高の設定
切土・盛土のトライアル計算により、土工量を可能な限りバランスさせる。
3.進入道路の縦断計画
20mを超える高低差を有するなかで、途中で交差する県道との摺り付けを確保する。
4.森林率の確保
事業区域の中で必要な敷地面積を確保しつつ、残置森林により森林率25%以上を確保する。

【業務概要】
本業務は静岡市の可燃ごみ焼却施設として、西ヶ谷清掃工場と共に基幹施設である沼上清掃工場の基幹的設備改良に関する計画を策定したものである。沼上清掃工場は平成7年度に竣工した600t/日のごみ発電設備を付加したストーカ式焼却施設で、現在まで約24年にわたり操業を続けてきたが、設備の老朽化とごみの高カロリー化に伴い焼却能力の低下が顕著となっていた。
このため、長寿命化総合計画を策定し、設備の保全計画と延命化計画を定めたうえで、適切な修繕、改良、更新を循環型社会形成推進交付金事業で実施することにより、機能回復を図り今後さらに15年以上の稼働を目指す計画であった。

【基幹改良工事期間】
計画施設は200t/日の焼却炉3系列の施設であるが、基幹的設備改良工事を実施するにあたっては、2系列分の稼働を維持しながら1系列ずつの改修工事が必要で、改修工事の完了した系列から順次稼働を再開させながら次系列の改修工事に着手する工程が必要である。また共通設備の改修や土木建築工事には、一定期間の全炉停止が必要でこれを極力短期間で済ませるよう、工事対象を細分化して実施する必要があるが、特高変圧器や蒸気タービン、同発電機の更新等重要機器の更新も必要と判断したため、短期施工の困難な要因が多々存在し、全体の工事期間として、5か年(48か月)もの期間が必要と見込まれた。

【業務概要】
本業務は、和歌山県南部地域2市8町の一般廃棄物と産業廃棄物を広域的に処分するための最終処分場整備に向けた実施設計業務であり、埋立容量は約20万㎥を有し、15年分の埋立処分に対応している。埋立地内の遮水システムには低密度ポリエチレンシートによるダブルライナー方式を採用し、上層シートの破損をモニタリングするための漏水検知システムと、高分子系マットによる自己修復機能を備えている。浸出水処理施設は、接触曝気による生物処理に凝集沈殿、砂ろ過、活性炭吸着を付加したシステムで、110㎥/日の処理能カと大容量の浸出水調整槽によって、台風時の大降雨にも対応できる能力を有している。

【技術的特徴】
本施設が立地する紀南地域は比較的降水量の多い地域で、平成23年には年間2,977mmの降雨を記録している。このことから、必然的に浸出水の発生量が多くなるが、埋立段階に応じた小段排水により表面排水を促進し、浸出水発生量の抑制を図っている。
具体的には、埋立小段毎に埋立中区画と埋立終了区画を切り替え、埋立終了区画に覆土を施して表面排水を促進することで埋立中区画の面積を極力小さくする設計を採用している。

【業務概要】
本業務は、青岸清掃センター(汚水処理場、ごみ焼却場、ごみ処理場)として都市計画決定された敷地のし尿処理施設跡地の一部を活用し、資源ごみのストックヤードを整備するにあたり、施設の基本設計と実施設計を行ったものである。

【施設概要】

構 造 階 数 延べ面積(㎡) 建築面積(㎡)
屋内ヤード 鉄骨造 地上1階 1,307.22 1,363.92
計量棟 1 鉄骨造 地上2階 280.04 152.05
計量棟 2 鉄骨造 地上1階 73.24 62.83
機 械 棟 鉄骨造 地上1階 95.16 113.09

【技術的特徴】
各品目の受入れ量、貯留量、ヤード面積設定のため、品目小分類ごとに概略の受入れ容量が集計された3回の現地調査結果と月別搬入実績に基づく月変動、保管日数、搬出車両、搬出頻度、嵩比重、貯留高等を勘案し、それぞれのヤードが屋内ヤード棟の中で効率よく配置されるよう設計した。
その際、ヤード間での貯留物の移動、搬入・搬出車両の動線、積み込み作業スペース確保には特に留意している。

【業務概要】
本業務は、栗原市の一般廃棄物処理において基幹的施設となる「ごみ中間処理施設」、「し尿処理施設(汚泥再生処理センター)」、「最終処分場」の3施設について、将来の施設更新に向けた施設整備の基本構想を策定したものであり、同時にこれら施設の建設候補地について、市域全域から絞り込みを行うための条件整理他、候補地選定の初期作業を実施したものである。
ごみ中間処理施設は、施設規模50t/日の可燃ごみ焼却施設に、施設規模7t/日の粗大ごみと不燃ごみの処理設備を付加した設備で、高度な環境対策と安全対策に加え、熱回収による余熱利用も行う計画である。
し尿処理施設は、施設規模67kL/日の施設で、収集し尿と浄化槽汚泥を処理する施設で、水処理後に発生する汚泥についても資源化を図る計画である。
最終処分場は、焼却処理後に発生する焼却灰や不燃・粗大ごみの選別不燃残渣を20年聞に渡って埋立処分する施設で、26,735.71㎥の廃棄物を覆土とともに埋め立てるため、37,000㎥の埋立容量を確保する計画である。

【技術的特徴と今後の課題】
本業務は、栗原市の一般廃棄物処理に係わる全ての施設について、それぞれの役割分担や補完性を加味しながら計画したものであり、施設整備の優先順位も定めているが、それぞれの施設は栗原市単独の施設で、広域化によるスケールメリットが発揮されないことから、小規模施設ゆえの課題を有している。
例えば、可燃ごみ焼却施設においては、発電による経済効果が発揮されないことから、他施設を近接して設置することで電力を有効活用する効果が発生しない。したがって、今後建設候補地を確定するにあたっては、施設の集約と分散に関して、個々の候補地と各施設の組合せにおける得失を評価する必要がある。

【業務概要】
本業務は、太田市外三町広域清掃組合が発注する焼却施設に関し、建設工事を円滑に進めるために、発注者の補佐として実施設計監理及び施工監理を行ったものである。また併せて、環境影響評価で示した予測・評価結果の検証、環境保全対策の実施状況、効果を把握し、事業実施に伴う環境影響を監視したものである。
焼却施設は、施設規模330t/日のストーカ式焼却炉で、事業方式にはDBO(公設民営)方式を採用している。なお、環境影響評価事後調査を実施した結果、工事の実施時及び供用時ともに環境保全目標を満足しており、環境保全措置についても適切に実施されいることが確認出来た。

【技術的特徴】
本事業は、施設整備基本計画や環境影響評価の方法書作成段階から一貫して携わってきたが、当該業務はその集大成となるものであった。
施設の建設予定地には、組合のリサイクルセンターや太田市のごみ焼却施設が存在し、それらが稼働を続ける状況での建設工事で、狭隘な敷地条件であるうえに、障害者施設や特別支援学校に近接する立地条件にある。
したがって、稼働後はもとより工事中の段階から騒音対策には特段の配慮が求められた。このため、騒音発生機器の機器配置や当該機器設置場所での吸音対策、サイレンサの採用など、細心の対策を施している。

【業務概要】
本業務は、唐津市の一般廃棄物処理において基幹的施設となる「新可燃ごみ処理施設」、「新粗大ごみ・不燃ごみ処理施設」について、将来の施設更新に向けた施設整備の基本構想を策定したものであり、同時に新可燃ごみ処理施設の建設候補地について絞り込みを行うための条件整理の他、建設候補地選定の初期作業を実施したものである。
新可燃ごみ処理施設は、災害ごみの受入れも加味した計画施設規模130t/日の連続燃焼式焼却施設で、高度な環境保全対策と安全対策に加え、発電による余熱利用も積極的に行う計画である。
新粗大ごみ・不燃ごみ処理施設は、市域から収集される粗大ごみと不燃ごみを破砕処理し、可燃物と不燃物に選別するとともに、その過程から回収される鉄とアルミを資源化する機能を有する施設で、併せて一部びん類の手選別処理も行う計画である。
建設候補地選定作業にあたっては、市域全体の人口重心点からの距離、施設整備のための必要敷地面積の確保、施設配置を考慮した敷地形状、候補地の地表勾配、法規制状況等からその適性を判断し、複数個所の抽出まで行っている。

【技術的特徴】
本業務で実施したような市域全域を対象とする建設候補地選定業務においては、地理情報システム(GIS)のデータを活用することにより、立地困難エリアを除外するためのネガティブマップを作成する作業が一般的であるが、この作業では除外対象とする法規制の範囲や保全対象施設の位置を地図上に重ね合わせる操作が主である。
しかし、今回の業務では地理情報が保有する座標ブロック毎の標高や人口データを活用し、これを演算処理した情報をネガティブマップに組み合わせている。
1.標高データの活用
国土地理院の測量成果である基礎地図情報(数値標高モデル)を使用して10mメッシュのブロック毎で傾斜角を求めた。この結果を傾斜角5°ピッチで区分し、傾斜角15°以上の範囲を傾斜による立地困難区域と捉えている。(除外対象のブロックを赤色で着色)
2.人口データの活用
市域における人口分布を250mメッシュのブロック毎に把握できる2015年国勢調査データを用い、座標ブロックの人口から市域全体の重心を求めた。そのうえで、人口重心点から候補地までの距離を評価の指標に活用している。

出典:基礎地図情報を加工して作成

出典:地理院タイルに人口重心点を追記して作成